B-13.紫紙金字法華経断簡五行(国分尼寺経)


右端には無地の紫紙が継ぎ足してあります。
同質、同色の紫紙に見えますので、経文の裏面を貼り合わせた可能性が考えられます。





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サイズ 本紙 縦260o、横90o(経文部分のみ)、界高204o、界幅18o、表具 縦1470o、横382o ※軸端を含まず

紫紙金字経、法華経安楽行品第十四、奈良〜平安時代

紫紙に銀界、金字で書かれた法華経の断簡五行です。
奈良時代の天平十三年(741)聖武天皇の命で全国に国分寺および国分尼寺が建立され、国分寺には「紫紙金字金光明最勝王経」、国分尼寺には「紫紙金字法華経」が一部づつ納めたられたと言われます。それらの経は各々「国分寺経」、「国分尼寺経」の呼称で知られます。

この度ご案内の品は、国分尼寺施入の伝承を持つ「国分尼寺経」と呼ばれる紫紙金字法華経の断簡です。
この経はかつては国分寺経と同時代と考えられていましたが、近年においては柔らかみのある書体から、平安時代初期とする説もあります。(古筆研究の田中塊堂氏は『古写経総監』で「奈良時代を下るものではない」としています。)
尚、『古写経総監』に記載のデータは高(紙高)8寸7分、銀界高6寸8分、巾6分となっており、尺貫法を訳すと当品とピタリと一致します。


紫紙金字の金光明最勝王経と比較しますと、紫紙のツヤや染の深さで一歩譲る感もありますが、紫紙は彩度がよく保たれております。
保存状態も抜群に良く、極細に引かれた銀界はよく残り、優雅な書体が高貴な紫紙によく映えています。


表具は古裂表具で、やや古びてはいますが、上々のコンディションを保っています。
箱の貼り札に岡村辰雄表具と記されています。

尚、当店在庫の三行の品と同じ同じ法華経の巻第五から切り離された品のようです。

よく知られる経ですが、稀に断簡が民間にでみる頻度は極めて稀で、希少性では人気の二月堂焼経とは比較になりません。


※これらの経は1717年に奈良東明寺の薬師如来像から発見され、紫紙金字法華経であることから、田中塊堂氏により「国分尼寺経」であるとされたと言われます。現在は一部を残し東明寺から散逸し、博物館、美術館、諸家に分蔵されるに至っています。