B-10.写経小断簡各種(天平〜藤原)

天平、弘仁、藤原時代の、書風の異なった古写経の小片3点のご案内です。
いずれの品も某古典籍専門店の付箋が付けられておりますため、付箋に準拠したご案内となります。
尚、古典籍店専門店の付箋は信頼性の高いものと判断致します。

B-10-1.元興寺経(藤原夫人願経)





価格66,000円(本体60,000円+消費税6,000円) ※送料当方負担

サイズ 本紙 縦234o、横87o、額 縦320o、横260o

天平十二年三月十五日発願(740)、大般若経巻第三十二

北家(藤原北家)の藤原房前(ふささき:〜737)の娘で、光明皇后の姪にあたる藤原夫人(〜760)が、天平十二年(740)に、亡父贈左大臣房前の追善と現在の生母の平安を祈願して書写せしめた一切経のうち。元興寺に伝来し、「元興寺印」の朱の丸印が捺されていることから、俗に『元興寺経』とも呼ばれている。(京都国立博物館の解説を引用)

やや小粒ながら
実に端正で扁平な書体は、天平時代の写経所で書かれた経とみてよいかと思います。。
保存状態は上部余白に目立った虫食い、天地の余白部分の切断がある模様です。
額は素木でアクリル入り、マットは本紙より若干大き目に切ってあります。

ゆうに5000巻を超えるともいわれる一切経を、極めて個人的な誓願で作られたことに驚愕せずにいられません。
膨大な巻数り書写したにも関わらず、現在、民間で見る機会は多くありません。


B-10-2.弘仁時代 大般若経断簡 売約済



サイズ 縦 252o、横81o

平安前期の弘仁時代(810〜824)写、大般若経巻五百七十二

写経が国家事業から個人的な発願で作られる等になった時代の経で、写経所の経の文字からは著しい違いがあります。
弘仁時代は、まだ和様の書の萌芽すら見られない、天平と藤原の二大写経ムーブメントの谷間の時期の経です。

保存状態はごく小さな虫穴があるものの、良好な状態です。本紙は台紙に軽く糊付けしてあります。
尚、伝来は特定できませんでしたが、付箋にある大般若経第五百七十二は大正新修大蔵経データベースと参照したところ誤りはありません。


B-10-3.永保二年導覚筆 大般若経断簡



価格30,800円(本体28,000円+消費税2,800円) ※レターパックライトに限り送料当方負担

サイズ 縦 254o、横90o

永保二年(1082) 導覚筆、大般若経巻第百六十七

平安時代中後期の永保二年(1082)に導覚より書写されたとされる大般若経。
導覚なる人物に関しては不明ですが、名だたる和様の名写経に全く見劣りのしない見事な文字が並びます。
保存上状態も良好です。本紙は古い台紙に軽く糊付けしてあります。

断簡に書かれた文字は、大般若経の第百六十六および百六十七に繰り返される経文です。
付箋は信頼のおけるものと判断致しました。