A-10.制多迦童子図(妙澤不動明王に童子図ノ内) 売約済

        

      

     
     顔の横線は紙のつなぎ目です。

     

価格187,000(本体170,000円+消費税17,000円) ※送料当方負担

サイズ 本紙 縦985o、横345o、表具 縦1840o、横473o ※軸端を含まず

紙本、木版淡彩色、軸装、室町時代

鎌倉時代後期〜南北朝時代の臨済宗の僧 龍
湫周澤(諱は妙澤13081388) の描いた不動明王の脇侍 制多迦童子像の版画です。
周澤は自らを周澤と名乗り、晩年の20余年にわたり一年で100枚の不動明王を描くことを日課としていたと言われます。それらの不動明王図は霊験あらたかと評判を呼び、妙澤の在世中から木版が開版されたことが判っております。

ご案内の品は妙澤の不動明王二童子図の肉筆原画をもとに、妙澤の時代からやや下る室町時代に木版で摺られた品で、中世の大型版画の代表すす作品です。中世の彩色版画の特徴として、彩色は淡く、版画の墨線を活かす手法が特徴としてあげられますが、ご案内の品も同様の彩色が見られ、頭髪や輪郭の一部に木版の墨線を活かす手法で制作されています。

保存状態は彩色に経年変化の変色、剥落、折れの修復痕が見られます。
修理、表具は国宝の修復で知られる京都の岡墨光堂の手により、古裂表具で完璧に仕立てられています。

尚、肉筆>版画と思われがちですが、中世の大型版画の評価は頗る高く、妙澤自筆の肉筆画を例外として、その図式は必ずしも当てはまりません。