B-11.写経小断簡各種(香染経など)

手鑑から外された天平から平安の小さな断簡のご案内です。


B-11-1.天平経・紺紙金字経断簡  
売約済



価格41,800円(本体38,000円+3,800消費税円) ※送料当方負担

サイズ 縦289o、横93o ※金色の縁を除く 

右:平安時代の紺紙金j経。
通常の紺紙金字経よりも、やや小さく小粒の端正な文字で書かれています。
銀色の界線が青白く輝きとても趣があります。経名は大般若経巻第二百三十一。
平安時代末期。

左:あきらかに天平盛期に写経所で書かれたと判る経です。
伝来不明ながら天平経の華、五月一日経と比較しても全く引けを取らない頗る達筆で書かれたています。
細く引かれた界線は消えてしまっていますが、文字の大きさから界高197o前後の普通サイズの経です。
経名は大宝積経巻第九十四。


B-11-2.香染経 売約済


料紙の表面があまりに滑らかで光沢があるため、照明を当てて撮影することが出来ません。
画像はスキャナーによるものです。

価格44,000円(本体40,000円+消費税4,000円) ※送料当方負担

サイズ 右:縦264o、横35o、左:縦182o、横35o  ※金色の縁を除く

丁子で深い褐色に染めて金界墨書の香染経です。
丁子染の経は伝光明皇后筆の「蝶鳥下絵経」がよく知られます。(蝶鳥は丁子吹き)こちらも経も光明皇后筆の極札のついた品を稀に見かけます。
左右いずれも極めてなめらかで光沢のある料紙に鮮やかな濃い墨で書かれた経で、蝶鳥経と同じく端正な達筆で書かれています。
丁子は今でこそありふれた香辛料ですが、この時代、南方からやってくる丁子は金よりも高価だったという話も聞きます。

経名は右が大般若経巻第二百七十、左が同経巻第一百に十九。
右はよく見ら平安後期の文字で、左はより古風な印象を受けます。左右別筆でのようですが、元は一具の経の可能性が高いように思います。
尚、左の経は上四文字が欠損しています。それにも関わらず金で縁取りをして大切に伝わったことが解ります。
時代は蝶鳥下絵経と同時代の平安時代後期の11世紀と考えます。


B-11-3.大涅槃経断簡 
売約済



価格11,000円(本体10,000円+消費税1,000円) ※こちらの品は送料実費ご負担願います。

サイズ 縦263o、横39o ※金色の縁を除く

平安後期の和様の経のお手本のような優雅で伸びやかな文字で書かれた経です。
文字は粒揃いで書風に乱れがなく、字詰めもピッタリとあっています。
由緒伝来は判っておりませんが、ひとかどの人物の筆として伝わったことは想像に難くありません。

こちらの経も褐色ですが、おそらくは黄檗染が変色したものと思います。
経名は大涅槃経(巻数は特定できず)。平安末期の筆。