C-5.檀像 釈迦三尊像 ご売約となりました。有難うございました。


細分化したパーツには驚くべき細密な彫刻が施されています。


三尊共に丸顔で優しい面相です。
中尊の指先に微妙な角度を持たせた繊細な作りが見どころ。


仏像の基壇から上と厨子は接着が外れ取り出すことが出来ます。


 
 
厨子は朱塗りで、上部に香や燈明の油煙の黒い汚れが付着しています。
厨子に目立った損傷はありませんが、背面下部に若干の塗のひび割れが生じています。

サイズ 
中尊の総高170o(台座光背を含めた高さ)、中尊の像高55o
脇侍の総高72o脇侍の像高35o
厨子の高さ240o

檀像、江戸時代

無彩色の檀像 釈迦三尊像です。
檀像とは本来、白檀をはじめとした檀木で作られた像を指しますが、白檀は国内で自生しないため木肌が白檀に似た褐色で芳香を放つ材が代用されたと言われます。
ご案内の品は代用材を用いた檀像で、おそらくは檜科の柏槙(ビャクシン)を用いて作られた像と思われます。

作風は手仕事の到達点を思わせる細密彫刻です。
保存状態も極上で厨子内部の三尊仏は細部に至るまで破損はなく、完璧といってよい状態を保っています。
作られた時代は三尊の細密な作風、厨子の金具の好みから江戸時代の作と解ります。

江戸時代の仏像は分業で制作された安づくりの品も見られますが、稀に別誂えの絶品が存在します。